本来の意味や新しい使い方とは?根付の歴史も含めて基本情報を分かりやすくご紹介

このサイトでは、江戸時代に誕生した根付についてわかりやすく紹介をしていきます。
このアイテムの歴史のなかには、本来の使われ方とは大きく異なった変化を遂げたものもあります。
もともとは武士が携えていたものでしたが、時代が流れるとともに大きくスタイルを変化させていきました。
現在でも和装スタイルを好まれる方の間で利用をされており、呉服店だけでなく、催し会場などでも購入できるものです。
一度手に取ってみるのもいいでしょう。
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本来の意味や新しい使い方とは?根付の歴史も含めて基本情報を分かりやすくご紹介
- 根付とはなにか?言葉の意味について説明
- ポケットがない和装の時代に小物を持ち歩く目的で使用されたのが根付
- 現代の根付は飾り?古くは日常の道具として愛され続けていた
- 江戸時代に制作されたと考えられる絵画に根付が描かれている
- 携帯電話の普及でストラップが流行して根付の人気が復活 (2023/1/30)
- 鏡蓋根付は輪切りにした象牙製のアイテムに蓋が付いたタイプ (2023/1/30)
- 饅頭のような形状の饅頭根付や七福神のような神を模ったものなど様々 (2023/1/30)
- 根付には国宝としての価値を持つ作品も多数存在する (2023/1/30)
- 根付は400年余りの歴史を持つ日本独特の装身具 (2023/1/30)
本来の意味や新しい使い方とは?根付の歴史も含めて基本情報を分かりやすくご紹介
根付の本来の意味は、刀の先端に取り付けるものというものでした。
歴史を発祥は戦国時代末期となっており、江戸時代になると腰に差している刀のワンポイントになりました。
その後は町人の間でも使用をされるようになり、単に帯に挟んでアクセサリーにされる方にほか、財布などに付けて帯からとりやすいようにされる方もいました。
根付は長い歴史のなかで、いろんなスタイルに様変わりをしたアイテムで、現在も色んな使い方ができます。
根付とはなにか?言葉の意味について説明
根付は、着物が日常的な衣服であった時代に作られた小物で、江戸初期は実用品に用いられていました。
巾着やたばこ入れ、薬を入れる印籠などは、着物の帯から提げて持ち運びましたが、それらが落ちてしまわないように紐で留め具に結び付ける必要がありました。
その留め具が根付で、言葉の意味は根元の「根」と結び付けるの「付」が合わさったものです。
現代風に表現すればストラップのようなもので、時代が進むに連れてシンプルなものから装飾的なものになっていきました。
形状の特徴としては、留め具として提げ物と繋げる役割があるため、紐を通すための穴が存在しています。
3センチから4センチ程度が一般的ですが、さらに小さいものもあり、サイズは比較的自由です。
素材は初期こそ木工品を作った際に出たあまりで製作されていましたが、様々な材料で作られるようになっています。
根付は日本で生まれましたが、美術価値が高く外国でも人気で国外問わず多くの収集家が存在します。
ポケットがない和装の時代に小物を持ち歩く目的で使用されたのが根付
夏の定番ともいえる浴衣。
浴衣をはじめとした和装には、コーディネートを楽しむための、たくさんの装飾品があります。
一番有名なものは帯の上から結ぶ帯締めや、それらと組み合わせる帯留めでしょうか。
少し形が変わりますが、帯締めや帯留めのように帯回りを飾るアイテムの一つが根付です。
現代で言えばストラップも根付として売られているのですが、元々は根付棒というものに括り付け、その棒を帯に引っ掛けて小さな飾りがプラプラするというお洒落を楽しむものでした。
また、小さな小物入れを棒に括り付けることでポケットという構造のない着物でも小物を持ち歩けるというメリットもありました。
小物入れだけではなく、キセルを吸う人はキセル入れを、薬が必要な人は薬入れをそれぞれ根付という形で身につけていたのです。
ファッションの一部として取り入れられていたこともあり、それらの小道具も大変お洒落なデザインのものが多いです。
現代でいう、服装に合わせたバッグのコーディネート、といった感じでしょうか。
現代の根付は飾り?古くは日常の道具として愛され続けていた
現代の根付は、ストラップの紐の先に取り付けられている単なる飾りのように思っている人も多く、また実際にもほぼ実用的な意味はなく装飾的な存在となっていますが、実は古くは日常の道具として活用されていたことを知っているでしょうか。
古いとは言っても10年や20年前といったレベルではなく、本質を言えば江戸時代、少なく見ても戦前にまでは遡らないといけないでしょう。
根付は紐を通して他の小物、例えば煙草入れとか印籠のような品物と結び付け、紐の部分を着物の帯に通すことでその小物を腰にぶら下げて持ち運ぶ用途があったのです。
現代の根付は小指の先ほどの小型サイズが多いかもしれませんが当時の実用品はもう少し大きく、そのため帯の上に出しておけばすり抜けてしまうようなことがなく、物を落とさずに持ち運ぶことができました。
着物にはポケットがありませんので小物の持ち運びに重要な役目を果たしたわけですが、洋服の普及に従ってその役目を終えることになったのです。
江戸時代に制作されたと考えられる絵画に根付が描かれている
今では若い方だけでなく、年配の方でもファッションとしていろんなアクセサリーを身に付けながら出歩かれるものです。
この様式は現代だけでなく、古くは江戸時代でも町人の間でなされてきたものです。
当時は着物姿が当たり前となり、今のような金属製や宝石を用いたネックレスなどはありません。
その時代は根付と呼ばれる小さな小物で、今でいうストラップやキーホルダーのようなものです。
そこでここでは、簡単に江戸時代の根付の概要を見ていくことにしましょう。
まずこの時代を象徴するものとしては、絵画が根付に描かれているケースが多いのがポイントです。
動物や植物、さらには浮世絵の人物などであり、顔料を用いて色鮮やかなスタイルで目にすることができます。
もっとも多いものでは富士山であり、有名な葛飾北斎も数点ばかりの根付を制作されているほどです。
これらは希少価値が非常に高く、なかには国宝というスタイルで美術館に収蔵をされているものもあります。
携帯電話の普及でストラップが流行して根付の人気が復活
携帯電話の普及により根付の人気が復活した形となっています。
確かに両者は全体としては似た意味合いがありますが、本来の意味からすると実は別物ですので、この際知っておいても良いでしょう。
ストラップとはひものことです。
これに対して根付とはひもではなくその先端部分に付ける飾りというか留め具を意味しています。
実際の用途としては紐を取り付けて使いますので結果的に似たような形状となりますが、本来のことを言えば異なるものを指しているわけです。
今の携帯電話向けには輪のようになった紐さえあればその目的は果たせますが、根付は、それと別の小物を紐で結んで和服の帯に挟み、ぶら下げて持ち運ぶのがもともとの目的であり、当然ながら紐だけではずり落ちてしまいますので無意味で先端部分の留め具があって初めて機能するという違いがあり、つまり単なる飾りではありません。
洋服が当たり前になって帯などなくなり、ほぼ実用性は失われたわけですが、意外なところで似たものが復活した感じです。
鏡蓋根付は輪切りにした象牙製のアイテムに蓋が付いたタイプ
鏡蓋根付は輪切りにした象牙製のアイテムに金属の蓋が付いたタイプのものを言います。
台は象牙のほかに、黒檀、紫檀などでも作られます。
蓋の部分は銅、赤銅、銀などの超金細工のプレートをはめこんだもので、金属プレートが手鏡に似ていることから命名されました。
紐を金属プレートの裏側に結んで、裏から出して通すようになっています。
江戸の大火の後、大量の根付の消失に伴い、需要を満たすために金工師と引き物職人の分業によって江戸時代末期に生産されたと言われています。
中央の金属プレートには金工師の技を凝縮した象嵌細工や彫金細工が施されており、日本技術の高さをうかがうことができます。
金工師が作ってきた金工品は、日本の大切な文化遺産で、日本の職人技を終結させた粋な作品です。
鏡蓋根付にもいろいろな彫金細工や象嵌細工を駆使した、骨董品としても価値が高い作品が見られます。
根付は日本国内外で大変人気があり、京都には専門美術館もあります。
饅頭のような形状の饅頭根付や七福神のような神を模ったものなど様々
"根付けは、もともと着物を着るときに、巾着や煙草入れ、矢立などを紐で吊るして帯に挟む時に便利なアクセサリーでした。
今は気にせず着けている方も見かけますが、着物を着ている時は基本的に時計や指輪などのアクセサリーは、生地を傷めるため避けるよう言われています。
根付けは、生地を傷つけずおしゃれを楽しむアイテムなのです。
根付けは、小さい中に細やかな細工を施してあって、着物を着る機会が減った今でも、コレクションして愛でている方がたくさんいらっしゃいます。
お饅頭のような形をした円形の中に、花や人物、時には河童のような架空の生き物まで細かく彫られている饅頭根付や、七福神といったおめでたいモチーフなど、見る者を楽しませてくれます。
細かい細工は、職人技が光っていて、工芸的価値があるものは博物館などで展示される事もしばしばです。
コレクターの間では、貴重な材料で出来た細工の細かいものなどは、骨董市場で高値で取り引きされる事もあります。
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根付には国宝としての価値を持つ作品も多数存在する
根付というアイテムをご存じでしょうか。
これは和装には必ずと言って良いほどセットで使用をされるものです。
おもに帯に付けるアクセサリーの一種で、いろんな縁起物を象っているのも特徴です。
そもそも江戸時代に町人の間で流行をしたもので、当時は野菜や動物・植物の形をした根付が基本でした。
現在ではサブカルチャーの人気アニメキャラなどをモチーフにしたものがあり、若い方の間ではキーホルダーやストラップという感覚で使われています。
市販品なのでさほど高価な品ではないのですが、なかには国宝という高い価値を持つ品もあります。
それは商品というよりも作品という位置づけで、全国の限られた美術館で大切に所蔵をされているものです。
まず有名なものであれば、坂本龍馬が身に付けていた象牙の根付です。
作者は不明ですが、日本で作られたものではなく、非常に高い希少価値となっているものになります。
徳川家康の根付も国宝で、ヒスイを使った動物の形です。
根付は400年余りの歴史を持つ日本独特の装身具
根付は400年余りもの歴史を持つ日本独特の装身具というか留め具です。
今では美術的な価値を見出されることはあっても実用品として用いられることはまずありませんので、どのように使われていたのか見当もつかない人がほとんどかもしれません。
これは、紐を通して他の小物を結び付け、紐部分を和服の帯の内側に通してその小物を腰にぶら下げることで使用します。
逆に根付は帯の上に出ることになるわけです。
何のためにこのようなことをするのかと言えば、要するにその小物を手に持つことなく身に付けて持ち運ぶためでした。
洋服にはポケットがありますが和服にはありませんので、いわばその代わりとしての手段だったということです。
江戸時代に良く利用されましたが、明治時代に入ると洋服が普及し、帯などの出番はそもそもなくなって小物はポケットに入れれば済むことから、実用性は失われていくことになります。
しかし美術品的な価値が特に海外からは見出されています。